8.データヘルス計画


 データヘルス計画は、医療費データや健診情報などのデータ分析に基づいて、PDCAサイクルで効率的・効果的な保健事業を実践するものです。すべての健康保険組合は2015年度からの実施を国から求められています。


解説                                           

◆データヘルス計画は、レセプト・健診情報等のデータ分析に基づき、保健事業を効果的・効率的に実施するための事業計画                                  

◆科学的なアプローチにより事業の実効性を高めていくことがねらい

◆特定健康診査等実施計画とは相互に連携して策定

◆第2期は2018年度から2023年度までの6年間

 

 データヘルス計画の目的



2013年6月に政府が閣議決定した「日本再興戦略」の中で、「国民の健康寿命の延伸」が重要施策として掲げられています。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいい、健康寿命を延伸することで健康寿命と平均寿命の差(日常生活に制限のある健康でない期間)を縮めることが重要です。
データヘルス計画はその実現に向けた計画です。

 

 データヘルス計画の特徴

 

データヘルス計画は、PDCAサイクルに沿った事業運営を行います。レセプトや健診情報等と活用したデータ分析を行い、組合の医療費の状況の把握、健康リスクの階層化、保健事業の効果が高い対象者の抽出などを行います。やみくもに事業を実施するのではなく、データを活用して科学的にアプローチすることで事業の実効性を高めていく。これがデータヘルス計画のねらいです。



 データヘルス計画で取り組むこと


 P(計画) 

       これまでの保健事業の振り返りとデータ分析による現状把握に基づき、
       加入者の健康課題を明確にした上で事業を企画

 D(実施)

       費用対効果の観点も考慮しつつ、次のような取組を実施
      ・加入者に自らの生活習慣等の問題点を発見し、その改善を促すための取組
        (例:健診結果・生活習慣等の自己管理ができるツールの提供)
      ・生活習慣病の発症を予防するための特定保健指導等の取組
      ・生活習慣病の進行および合併症の発症を抑えるための重症化予防の取組
        (例:糖尿病の重症化予防事業)
      ・その他、健康・医療情報を活用した取組

 C(評価)

       客観的な指標を用いた保健事業の評価
        (例:生活習慣の状況(食生活、歩数等)、特定健診の受診率・結果、医療費)

 A(改善)

        評価結果に基づく事業内容等の見直し

 

 特定健診制度との関係

 

2008年度に開始した特定健診制度は、健診データを電子的に標準化し、データに基づき保健事業のPDCAを回すことをねらいとしています。また、特定健康診査等実施計画は、保健事業の中核をなす特定健診および特定保健指導の具体的な実施方法等を定める計画であることから、保健事業を効果的かつ効率的に実施できるよう、データヘルス計画と特定健康診査等実施計画とは相互に連携して策定することが望ましいとされています。

特定健診・特定保健指導 <第三期 特定健康診査等実施計画>

 

 計画の期間および公表・周知

 

第2期データヘルス計画の期間は2018年度から2023年度までの6年間です。2020年度までを前期、2021年度から2023年度までを後期に区分けし、前期終了時に中間評価が実施される予定です。
また、保健事業の目的や内容が加入者、事業主等の関係者に理解され、事業の実効性が高まるように、データヘルス計画はホームページや広報誌等で公表され、関係者への周知が図られることになっています。

日産健保のデータヘルス計画

R3 ①summary_日産健保の概要
R3 ②STEP1_基本情報・保健事業の実施状況
R3 ③STEP2_健康課題の抽出
R3 ④STEP3_保健事業の実施計画
R3 ⑤STEP4_事業報告
R3 ⑥relation_課題と事業の対応図